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11/03/2022
いきなり本格的なものを揃えなくても大丈夫。
「あの人がYouTubeを始めたら絶対おもしろい!」と思う人、身近にいませんか? もしかするとあなたもそう言われているかもしれませんよ!
今回は、Vlog動画(Video+Blog)を撮影するのにぴったりなカメラ、アクセサリをWirecutterが厳選した結果に基づいて紹介していきます。
一流の機材を揃えれば絶対に人気動画を作れるわけではなく、まずはスマホと組み合わせて使えるジンバルやミニ三脚など初心者向けアクセサリもあります。さらに、YouTuber向け本格的なカメラを選ぶならばどれが良いのか、今おすすめできる製品にも注目です!
日常をシェアするVlog動画って、見ているだけで旅行気分になれて楽しいですよね。では、そんな動画を自分で作るとしたら何から始めれば良いのでしょうか? まずはアイデアと映像を用意する必要があります。
ビジネスとしてある程度成功させたい場合、クオリティを担保することは必須。とはいえ初めから高価なギアを買い揃える必要はなく、まずは家族や友人以外にも見てもらうことを前提に、カメラ慣れすることから始めましょう。そして何より、中途半端ではなく本気でやる決心が肝となります。何十万円もする高性能カメラを買ってから「自分はYouTubeに向いてない」と気づくのではもったいないですから。過去の映像のクオリティが気になるのであれば、視聴者が増えてから削除するという選択肢もあるので、まずは今できるところから始めていきましょう。
執筆時点で購読者数33万4000人、再生回数およそ6千万回を誇る人気YouTubeチャンネルの「Sailing Uma」に成功の秘訣を尋ねてみたところ、最も重要なことは「その時の自分ができるすべてのことをやってみること。経験を積むうちに何が良いか、どのギアが自分のやり方に合っているかわかってくるはずです」とコメントを残してくれました。「ギアはある程度重要だけれど、高校の先生がよく言っていた通り『優れた大工はツールのせいにはしない』のだと思います。自分たちも、数年かけてスタイルを確立してきたなかで、ギアに関してはゆっくりと、よりスムーズに創作活動に取り組みながら進化させてきました」とのこと。
購読者数74万人、再生回数およそ2億3000万回を誇る「Fact Fiend」のKarl Smallwood氏にもインタビューしたところ「特にビジュアルについては気にしていなくて、どちらかというと機材を買うときには音質にこだわっていた気がします。思っている以上に動画を聞き流しする人って多いんですよね。自分たちの経験だと、音質よりも画質の悪さの方が許されるのかなと思っています」と教えてくれました。
つまり、良いVlogを作るのに必要なのは、ギアだけではなく努力と時間を惜しまないことだといえそうです。
Vlog動画を初心者からアップグレードするならこれ。軽量でコンパクト。安定した4K動画が撮影できる。
Vlogを撮影するのにも慣れてきて、もっと映像のクオリティを上げたい場合におすすめなのが「Sony ZV-1」。Vlog用に設計されたカメラで30fpsで4K動画、最大120fpsで1080p動画、ウルトラスローモーションが960fpsで撮影できます。カメラ上部には指向性マイクがあり、ステレオ音声を録音することもできます。スクリーンは内側に回転させることができるので、自撮りも簡単。光学式手ぶれ補正機能により安定した映像が撮れます。
スマホよりも「Sony ZV-1」のほうが美しい映像を撮れるのには、2つの秘訣があります。1つは、どんなスマホのイメージセンサーよりもっと大きな1.0インチ「Exmor RS CMOS」センサーにより光がうまく入り、低光でもノイズを抑えられた映像が撮れるようになっていること。もう1つは、「ZEISSバリオ・ゾナーT*レンズ」により小型ながら多くの光をセンサーに採り入れることができること。
またスムーズな2.7倍ズームで広角、適切な望遠(一般的なスマホほど広角ではないものの、腕を伸ばしたりセルフィー棒やハンドグリップを使ったりすれば顔から肩まで映るには十分)が使えます。
この価格帯で4K動画を撮影できるカメラにしては珍しく、スクリーンを内側に向けて映像をチェックできるのが「Sony ZV-1」最大の魅力といえそうです。Vlogに便利なソフトウェア機能も充実していて、ボタン操作で背景をボカシたりはっきりさせたり切り替える機能のほか、高速オートフォーカス、顔や瞳を検出する機能、ピント合わせもばっちり。
別売りマイクの使用をおすすめしますが、依然として「Sony ZV-1」のマイクは優秀で、風切り音を最小限に抑えるウインドスクリーンもついています。3.5 mmマイク入力、Sonyの「マルチインターフェースシューマウント」があり外付けマイクにも対応。
本体はとても良くデザインされていてグリップの位置も多様に握りやすいほか、小型でジャケットのポケットや小さなカバンにも入れて持ち歩きやすいです。ただ気になったのが、レンズや電源ボタンにロックがないため気づけば電源がオンになってレンズが伸びていることも。念のため、ポケットなどに入れるときはバッテリーを抜いていますが、ロックがないのは少し不便に感じました。
特にカメラを扱うのに慣れていない人にとって、新しいカメラを使いこなすまでには時間がかかるものです。「Sony ZV-1」のボタンはあまり直感的ではないため、最初のうちは戸惑うこともあるかもしれません。フォーカスにはスクリーンをタッチすれば良い一方で、設定をいじるにはSonyのスマホアプリ(iOS、Android)を経由する必要があります。またイヤホンジャックがないため、音量を確認する術がないのも少し不便に感じるかもしれません。
4K動画を撮影しようとすると画角が狭くなり、手ぶれ補正モードを使用するともっと狭くなるのが気になりました。腕が短い人にとっては特に、フレーム内でうまく自撮りするのが難しくなります。たいていの場合は「Joby GorillaPod 1K Kit」やSonyの「ワイヤレスリモートコマンダー機能付シューティンググリップ」など三脚やセルフィー棒を使えば改善できそうです。
最後に、「Sony ZV-1」は執筆時点で750ドル(約8万5000円)と良心的な価格になっています。機能性や性能を考えると他社製品と比べてもコスパは高いです。ただ、それでもやはり気軽に出せる金額のものではないため、もしすでに1080p動画が撮影できるカメラを持っている場合、まずはそちらを使ってみるのが良いかもしれません。
ウォータープルーフでアウトドアVlogにぴったり。高解像度でかなり安定した映像が撮れる。前面にあるスクリーンが便利。
アクションカメラを探している人にもっともおすすめできるのは「GoPro Hero9 Black」。その理由は、画質と手振れ補正機能に優れているからです。アウトドア系のVlogを撮影したい人にとって、この2つの要素は重要。最大5K解像度で、ディテールの描写は他社製品と比べてもピカイチです。カメラ自体に光学ズーム機能はありませんが、この解像度により映像をトリミングしてズームインすることができます。
高度な手振れ補正機能により、撮影中にカメラが揺れてもジンバルがほぼ不要なくらい安定した映像が期待できます。最大水深10mの防水機能のほか、内蔵マイクにより音質も良いのが魅力。ただし、やはり外付けマイクはあったほうが良さそうです。
「Sony ZV-1」のような大きなセンサー内蔵のカメラと同じレベルの画質とはいえませんが、「GoPro Hero9 Black」は鮮やかな映像が期待できます。明るい場所はもちろん、低光でもそれなりの映像が撮れます。これは他社製品のアクションカメラでは特に難航する場面で、もし洞窟など暗い場所での撮影が多くなる場合にはもっと大型のレンズがついたカメラを検討するのが良いかもしれません。
「GoPro Hero9 Black」で特に便利なのは、前方にあるスクリーンと複数の視野角オプションの2つ。前方のスクリーンに関してはサイズこそ小さめではあるものの、自撮りをするのに便利です。レンズは「ワイド」「ナロー」「リニア」から選べて、レンズ自体にズーム機能はないものの、ソフトウェアにより一般的なアクションカメラと比べてあらゆる方法で撮影できるようになっています。
「Quik」と呼ばれるアプリ( iOS、Android)でも多様に編集ができるようになっていて(もちろん、専用の編集ソフトウェアを使ったほうが本格的ではありますが)他の編集ツールを使わずとも動画を切り取り作成することができます。
GoProアクセサリのなかでも、Vlogを撮影するうえで便利なのが上の画像にもある「Media Mod」。カメラを囲うプラスチック製のフレームに内蔵マイク、ワイヤレスマイクや小型のLEDを設置するためのマウントが2つついています。背面には3.5mmの音声入力、Micro HDMIポート、USB-Cポート(フレームにより本体にあったものは隠れるため)があります。底部分は開いていて、GoProの折りたたみ式マウントに接続できるようになっています。 YouTube動画でマイクの音質などレビューしているので気になる人はそちらをチェックしてみてください。最後に、「GoPro Hero9 Black」は優秀ですが、あくまでアクションカメラであるため光学ズームがないこと、デジタルレンズモードは画像のクロップにすぎないため、どの撮影でもずっと広角レンズを使用していることをお忘れなく。
低光でもさらに高画質が期待できるAPS-Cミラーレスカメラ。今回紹介している他製品と比べて大きく、高価。
すでに動画配信で収益化に成功していて、画質の高さでさらなる高みを目指したい場合、画質や安定性、価格のバランスが取れた「Sony α6600」がおすすめ。4K動画やスローモーション撮影、スクリーンを内側に回転させることができるのはもちろん、ソニーに限らず他メーカーのEマウントレンズをいくつでも使用することができます。APS-Cセンサーはスマホと比べてはるかに大きいため、低光での撮影でノイズを抑え、より高いダイナミックレンジで全体的にプロレベルのクオリティを叶えてくれます。
ミラーレスのデザインによりデジタル一眼レフカメラと比べて小型で軽量なので、持ち歩きやすいです。また一眼レフと比べて動画に特化していて、30FPSで最大4K撮影、3840×2160動画が撮影できます。また1080p60、スローモーションでは最大120FPSサポート。
バッテリー寿命の長さは先出の「Sony ZV-1」と比べても長く、Sonyによればバッテリー1つにつき2時間以上の録画が可能。もちろん予備のバッテリーもあります。
今回、光学式手ブレ補正機能があるSonyの「18–135mm f/3.5–5.6 OSS」レンズを使って「Sony α6600」をテストしました。ズームはスムーズで、範囲は広角18mm〜狭角135mm(ちなみに一般的なスマホは28mm)。あらゆるVlogシーンに最適だといえます。「Sony E 18–200mm f/3.5–6.3 OSS LE」もテストしましたが、こちらも光学式手ブレ補正機能、わずかに長めのズームが揃っていておすすめです。手持ちで撮影する場合には、広角レンズが(想像以上に)必要となります。ズームは使わないとわかっている場合には小型で軽量、安価な「20mm f/2.8」をおすすめします。
画質(色、コントラスト、ディテール)が顕著に良いものは、それなりの値段になります。「Sony α6600」はレンズ無しでも「Sony ZV-1」の2倍です。ただし、再生回数はコストの大きさに伴うものではなく、画質が良いほど人気動画になるわけではないのをお忘れなく。そういう意味で「Sony α6600」は、初心者よりも収益力のある動画配信者に向いています。
後部のスクリーンは(「Sony ZV-1」と違い)前方に回転するわけではないことも要注意。その代わりに、複雑なメカニズムのカンチレバーがあります。金属製ながら繊細な印象です。この点で「ZV-1」の方が便利に感じる人も多いかもしれません。
最後に、スマホなど軽量で持ち運びやすいものに慣れている人にとって、「Sony α6600」は「Sony ZV-1」や「Hero9 Black」などのカメラと比べると大きめです。デジタル一眼レフと比べると小さいですが、全自動カメラと比べるとかなり大きめ。これを持って歩くのは結構な腕の運動になりそうです。
スマホ撮影でも、スムーズで安定した動画に仕上がる。ボタンが多くあり、アプリも使いやすい。
手持ちのスマホでも、ジンバル使用で動画撮影のクオリティをグッと上げることができます。ハンドル部分はモーター駆動で手ブレを防ぎ、スマホを安定させてくれるのでスムーズな映像が撮れます。以前はハリウッドの超高額な機材でしか利用できなかったテクノロジーが、約1万円で手に入り、移動中、あるいは歩いているだけの映像でもスマホでそれっぽいものが撮影できるようになりました。
小型の三脚だけでなく、短めのセルフィ棒としても使える。グリップ式でカメラのほか(マウント「Square Jellyfish Metal Spring Tripod Mount」と組み合わせれば)スマホもセットできる。
「Joby GorillaPod 1K Kit」は数あるジンバルのなかでもっともおすすめできる製品。アプリが優秀で、ボタンも数多く便利。なにより安定した映像が撮れます。スマホ1台、あるいはアプリ1つでは叶わなかったスムーズな動画を撮影するならこれ(※スマホとの接続には別途マウントが必要です。)
多用途なデスクトップUSBマイク。クリアで充実した音質が魅力。コンピュータに接続して簡単に使用できます。
家のなかで動画を撮影する場所が決まっているならば、Wirecutterが2013年から何度テストをしても変わらず1位としてきたマイク「Blue Yeti」がおすすめ。クリアで充実した音質で、自然で温かみのある音声を録音できます。初心者からプロまで音声の録音に使えて、何年もの耐久性が期待できます。フルサイズの有線デスクトップマイクであるため、外出先では使えないので注意。
簡単にスマホと連動できる便利なマイク。音質に定評あり。
スマホに取り付けられるようなシンプルなマイクを探している人には「Røde VideoMic Me」がおすすめ。アップルユーザーは「Me-L for Apple phones」、Androidユーザーは「Me-C for Android phones with USB-C」それからヘッドホンジャック付きならどんなスマホにも使えるタイプも出ています。単一指向性(カーディオイド)のため、声と不要なノイズを切り離すことができます。背面にはヘッドホンジャックがあるので、マイクを外すことなく音声チェックできるのも魅力。ふわふわした風防は風切り音を抑え、声をクリアに録音してくれます。
さらに音質、画質をプロっぽく仕上げてくれるカメラ周辺アクセサリについては以下をチェックしてみてください。
まず、あらゆる場面で役に立つ三脚。なかでもVlog動画に使いやすいのが「Vanguard Alta Pro 2+ 263AB100」。水平に延長したり、脚部分を広く開いて高さを低くしたりできるので、デスク、カウンターなどにカメラを設置するのに便利です。
Vlog動画を撮影するとはいえ、歩きまわらずひとつの場所にとどまる場合にはUSBマイクの「Blue Yeti」、歩きまわる場合には指向性マイクの「Røde VideoMic Me」がおすすめです。後者は低コストで、カバンの中に入れておいてもスペースを取らず、音質はオリジナルの「Videomic」と同様なのがポイント。ただし、カメラに取り付けるのが面倒な場合には、ワイヤレスの「Røde Wireless Go」の方をおすすめします。こちらはカメラにレシーバーをつけて、トランスミッターがマイクを兼ねている仕様で、「Lavalier」が接続できます。トランスミッターが2つある「Røde Wireless Go II」は2人で撮影する場合や、インタビュー撮影する場合に便利です。
最後に編集に関して。多くの人が見たくなるようなレベルの動画を作るには、編集ソフトの使い方を習得する必要があります。編集ソフトを使用することでタイトルや挿絵を入れたり、複数の動画をまとめたり、カットもできるようになります。アップルユーザー向けの「iMovie」など、無料で使用できるソフトも数多く存在するので自分に合うものを見つけてみてください。個人的には(どうせやるならば、プロに近いものをという心構えで)「Adobe Premiere Pro」を独学で使っています。
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