アップル、iOS 15発表。音楽や映画を複数人で同時再生「SharePlay」 - AV Watch

アップル、iOS 15発表。音楽や映画を複数人で同時再生「SharePlay」 - AV Watch

アップルは8日、開発者向けのイベント「WWDC(世界開発者会議)」を開催し、iOS 15を発表した。FaceTimeが大きく進化し、複数人とビデオチャットをするだけでなく、Apple Musicで再生している音楽や、Disney+などで再生している映画の映像を参加者全員で同期して再生して楽しむ「SharePlay」機能が追加される。iOS 15は今秋に提供される。

iPhone、iPad、Macで利用可能になるもので、使い方はシンプル。FaceTimeで会話をしている時に、Apple Musicを再生すると、参加者全員で同じ曲を聴く事ができる。再生する楽曲のリストを、参加者が操作する事も可能。次に皆で聴きたい曲を、参加者が再生リストに挿入するといった使い方も可能。

音楽をSharePlayで、FaceTime参加者と同期再生しているところ

SharePlayにはDisney+に加え、ESPN+、HBO Max、Hulu、MasterClass、Paramount+、Pluto TV、TikTok、Twitchなどの配信サービスが対応予定。FaceTimeで会話しながら、対応するサービスのアプリで映画やドラマなどのコンテンツを再生すると、その映像が同期された状態で、他の参加者のiPhoneにも表示される。

映像コンテンツを同期再生する事も可能SharePlay機能の操作画面

映像とともに、参加している人の顔も小画面で表示できるため、映画を楽しんでいる姿を見ながら、コンテンツが楽しめる。Apple TVと連携する事も可能で、映画をApple TVを接続したテレビに大画面表示し、手元のiPhoneで参加者の顔を表示するといった使い方もできる。

映画をApple TVを接続したテレビに大画面表示し、手元のiPhoneで参加者の顔を表示するといった使い方もできるSharePlay機能に対応予定の映像配信サービス

また、コンテンツの同期再生へ誘うための「あなたと共有」ボタンもiOS 15のシステム機能として追加。音楽や映像だけでなく、記事や写真、ポッドキャストアプリなども含めて、相手との共有を誘う事が可能になる。。

FaceTime通話へのリンクも作成できる。iPhone、iPad、Macからリンクを作成し、Messageやカレンダー、メールアプリ、またはサードパーティのアプリを使って通話へ誘う事も可能。Appleデバイスだけでなく、AndroidやWindowsなどのWebブラウザーからFaceTime通話に参加する事も可能になる。

FaceTimeでのビデオ通話自体も進化。機械学習技術を活用し、背後の騒音と、話している人の声を分離。騒音を抑えて、声だけをクリアに届ける事ができるほか、背景の音楽などを含めて現場の音をそのまま伝えるモードも用意する。

アップル、iOS 15発表。音楽や映画を複数人で同時再生「SharePlay」 - AV Watch

後ろで掃除機などを使っていても、声だけを分離してクリアに届けられる

ビデオ通話の映像も進化。ポートレートモードを使用できるようになり、背景をボカした映像で、相手とビデオ通話ができる。

ポートレートモードの使用イメージ

また、音の方向を表現する空間オーディオ技術をFaceTimeにも投入。複数人で喋っている場合、その人の映像がビデオ通話内で表示されている方向から、その人の声も聞こえるようになる。

話している人の映像が、アプリ内で表示されている方向から、その人の声が聞こえるようになるFaceTimeの新しいグリッドビューモード

「写真」アプリも進化。Apple Musicの音楽を選び、自分の写真ライブラリにある写真や映像を、その音楽に合わせて表示する「メモリーミックス」機能を搭載。音楽のテンポに合わせて表示のタイミングやエフェクトなどを自動で調整してくれるため、ゆったりした曲ではゆっくりと写真などが切り替わり、テンポが速い曲ではそれに合わせて素早く切り替わる。

「メモリーミックス」機能

iOSでは通知も進化。連絡先の通知に写真が表示されたり、アプリはより大きなアイコンを表示し、簡単に識別できるようになる。通知のタイミングも、よりユーザーにマッチしたものになるほか、最も関連性の高い通知を一番上に表示するといった優先度順も最適化される。次の1時間、または1日といった期間、アプリやメッセージ スレッドを一時的にミュートする事もできる。

写真内のテキストを認識し、電話番号のテキストから電話をかけたり、文章を検索したり、Wi-Fiのパスワードを取得するといった機能も追加。

地図アプリも進化し、近隣、商業地区、標高、建物、ランドマークなど、地図上の都市の詳細な表示が可能になるほか、月明かりに照らされる新しい夜間モードも利用可能。ナビ機能も進化し、道路の情報がより詳しく、右折車線、中央分離帯、自転車専用レーン、横断歩道などの重要な情報がよりわかりやすくなるとのこと。