初代ハンディカムは録画専用だったって知ってる? ホームムービー第1世代がオーディエンス側になって思うこと

初代ハンディカムは録画専用だったって知ってる? ホームムービー第1世代がオーディエンス側になって思うこと

CCD-M8を操る1歳児。8vision VEM-F810で撮影

初代ハンディカムは録画専用だったって知ってる? ホームムービー第1世代がオーディエンス側になって思うこと

1980年代、ホームビデオムービーが花開いた。僕はその第1世代といっていいだろう。2000年のApple Expo Parisでスティーブ・ジョブズはiMovieでホームムービーを編集するデモを自ら行った。GR-DVYで撮影大学を卒業するくらいにVHSビデオデッキが普及を始め、1986年の結婚式では義父がVHSムービーカメラをレンタルして撮ってくれた。おそらく松下電器の「マックロードムービー NVM1」だろう。その2次会は自分たちでバンド演奏もした、なかなか豪華なものだったのだが、それは記録されていないので、自分たちの記憶と数枚の写真にしか残っていない。新郎新婦からプロミュージシャンによる演奏まで、今なら余さず保存していただろう。それをしていないのが、ほとんどの個人がビデオカメラを持っていない、この時代というものだ。そのときのバンドメンバー2人が勤務していたメーカーがビデオカメラを作るのをやめた。その1人からメールが届いた。「このあいだの記事、松尾さんでしょう。会社で回っていたリンクで見ました。またバンドやりたいですね」その記事というのがこれ。・家庭用ビデオカメラが終わりつつある件について、JVCムービーカム愛用者が語り合ったその後、小寺信良さんによる、ビデオカメラ市場を俯瞰する考察記事が出た。・気がつけばフェードアウト? ビデオカメラの歴史を振り返るこうしたビデオカメラ史にはあまり出てこない、個人的なムービーカメラ体験を語っておきたい。歴代のビデオカメラで撮影したビデオクリップを1つにまとめてみた。

8mmビデオの時代と録画専用初代ハンディカム

最初の子供が産まれた1987年、質屋で三洋電機の8mmビデオ「8vision VEM-F810」を買った(誕生の後、しばらくしてからだ)。もうメーカーも残っていないし、この機種はほとんど知られていないだろう。かなり大掛かりな、それこそ初代ベータムービーみたいな肩乗せスタイル。だが、カセットが8mmビデオなのでかなり小さいから軽い。オートフォーカスは付いており、機能的な不満もなく使っていた。新婚ホヤホヤの時期の妻と子供を残せたのはこのビデオカメラのおかげである。8mmビデオはこの他に、録画機能しかない(再生できない)ソニーのビデオカメラを、これも中古で購入し、使っていた。スタジオでのバンド演奏、飲み会などに持ち歩いては録画していた。パンフォーカスではあるが、とにかく取り回しが簡単で、一時期は全てこのカメラで撮っていた。残っているかな、と家の中を捜索してみたら見つかった。「CCD-M8」という製品名だ。よくよく調べてみるとこれ、実はこれが、ハンディカム(Handycam)の名を冠した最初の製品だったらしい。録画しかできないという一点突破主義は初代ウォークマンと並ぶ潔さ。1.1kgと当時としては圧倒的に軽かったのでどこでも撮りまくっていた。そのおかげで残せたものはたくさんある。昭和から平成に変わる一夜、下北沢でバンド仲間と徹夜で飲み明かしたときの記録なんてのもある。それからビデオは8mmビデオから高画質化、高音質化されたHi-8に移った。僕の8mmビデオも、コンパクトなソニー製ハンディカム「CCD-TR705」(1991年)に移った。パスポートサイズの初代「TR55」をHi8化したものだ。

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