ASCII.jp Bang & Olufsen初のANC完全ワイヤレス、自然に音の世界に浸れる注目機種

ASCII.jp Bang & Olufsen初のANC完全ワイヤレス、自然に音の世界に浸れる注目機種

 Bang & Olufsenは7月29日、同社製品では初めてアクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay EQ」を発表した。価格は3万9900円。Black AnthraciteとSand Gold Toneの2色があるが、発売はBlack Anthraciteが先行して本日から、Sand Gold Toneは8月下旬に発売予定だ。

 フィードバック/フィードフォワードを組み合わせたハイブリッド型のノイズキャンセル機能に加え、遮音性の高い装着性・筐体構造などにも配慮している。実際に体験してみたが、ノイズキャンセリングON、ヒアスルー、両方OFFのいずれでも再生音の変化が少なく、Bang & Olufsenらしい高域まで繊細に再生するクリアな音質を感じ取れた。

 本体は既存Beoplay E8などと比べて若干大型化している。一方で充電ケースなどは薄型化しており、持ちやすさや携帯しやすさを重視している。ケース素材は本革張りではなく、軽快感のあるアルミ素材となっており、環境負荷(リサイクル性)にも配慮したものになっているという。

 ドライバーは直径6.8mmの新開発ドライバーで、再生周波数帯域は20Hz~22kHz。Bluetooth 5.2準拠でコーデックはSBC/AAC/aptX Adaptiveをサポートする。高性能のビームフォーミング技術により、通話品質も改善した。イヤホンには近接センサーを備え、耳から取り外すだけで自動で再生がストップ、タッチ操作なども無効になり、誤動作や無駄なバッテリー消費を防げるという。

 製品の発売後、iOS/Android向けのスマホアプリ「Bang & Olfsen」も8月中旬頃にANCレベルを11段階で調整する機能を追加する予定だ。

 デザインはアップルでインダストリアル・デザイナーを務めていたMiklu Silvanto氏が担当。特徴的なのはアンテナ部に少し凹凸があり、指でつまみやすくなっている点だ。ケースに入れる際には磁石がすっと固定され出し入れがしやすい。収納された状態ではフェイス部が外向きになる点は独特だが、なかなか美しい。

 本体は幅24×奥行き27×高さ22mmで、重さは片側8g。ケースの外形寸法は幅77×奥行き40×高さ26mmで重さは50g。従来のBeoplay E8(3rd Gen)よりも幅は広がったが高さを抑えている。バッテリー容量は本体が85mAh、ケースが340mAh。再生時間はAAC接続/ANCオン時で最大6時間、ANCオフ時で最大7.5時間。aptX Adaptive接続/ANCオン時は最大5.5時間となっている。ケースはイヤフォンを2回充電でき、最大20時間使用できる(AAC接続時)。また、Qi規格のワイヤレス充電にも対応する。

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 筆者はBeoplay E8(3rd Gen)のユーザーでもあるので、実機を持参して比較してみたが、高さを抑えることによって、ポケットなどに入れやすくなっている点は嬉しい。革からアルミへの変更は好みの差がありそうだが、Bang & Olufsenらしい品位の高さがあって、シンプルかつ落ち着いた雰囲気だ。

 本体は完全ワイヤレスイヤホンの中では大きめだが、耳に収まるとよく安定する。密閉感が高く、素の状態でも周囲のノイズをよく遮断するが、ノイズキャンセリングをオンにして音楽を再生すると、周囲の雑音が全く感じられないほどきれいにノイズが消える。デモ会場では地下鉄の移動をイメージした環境音が流されてテストできたが、電車が動く際の低い音域のノイズはほぼ聞こえず、鳴っているのが分からないほどだった。一方で、アナウンスなどは耳に入る。この状態で左側をタッチしてヒアスルーなどをオンにすれば、周囲の音が聴け、音調もかなり自然なものだった。信号音などはならず、いまどのモードになっているかが、やや分かりにくい面があるが、効果の違いはハッキリしている。移動中などで自然に使い続けられるのではないか。

 音調はBang & Olufsenらしく、多くの人が満足できるクオリティだと思う。アコースティック系の楽曲では豊かな倍音が感じられる。一方で、EDMのような深い低域が求められる楽曲でもタイトだがやせすぎない再生が可能なので、対応できるジャンルは広いと思う。

 タッチ操作については一般的な完全ワイヤレスイヤホンとは少し異なるので、慣れが必要だ。例えば、楽曲の再生/停止は右側のダブルタップ、音量アップ/ダウンはそれぞれ左側のタップ+長押し/右側のタップ+長押しとなる。特に音量操作が難しいが、一時停止はイヤホンの取り外し、音量調整はスマホ側からすればいい面もあり、どうにもなじめないという場合でも別の方法で代替できると思う。

 価格はイマドキの完全ワイヤレスイヤホンとしては少々高めだが、海外ブランドの製品であり、音質とデザインの魅力を兼ね備えている点で十分魅力を持つ製品だと思う。競合機種としてはゼンハイザーの「MOMENTUM TrueWireless 2」あたりだが、価格的にはそう変わらない。

 Made for iPhoneの製品。IP54の防塵坊沫仕様にもなっており、さらにワイヤレス充電にも対応するため、付加機能の面でも十分だろう。

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