「Beats Flex ー fragment designスペシャルエディション」 Apple公式サイトで販売開始
11/03/2022
気軽に外出・遠出できない日々が1年以上続き、リモートワークにより毎日通勤で使っていたワイヤレスイヤフォンやDAPに触れる機会も激減。その一方で、自宅でスピーカーや有線ヘッドフォンを使う時間が多くなった……筆者と同じような状況の人は多いだろう。
今までイヤフォン/ヘッドフォンにおいて“屋外で使う事”を重視していたので、特にヘッドフォンでは音漏れが少ないヘッドフォンばかり手にしてきた。しかし、自宅で使うのであれば音漏れは気にならない。となると、あまり聴いて来なかった開放型ヘッドフォンに興味が出てきた。
そんな折、ゼンハイザーから25,000円前後の開放型ヘッドフォンが登場。ハイエンド機には全然手が出せない筆者でも、頑張れば手に届く価格帯で“開放型”。どんな音なのか非常に気になるので、借りて体験してみた。筆者と同じように、あまり開放型に触れて来なかった人に、その魅力を紹介したい。
AV Watch読者にとっては“おさらい”的な話になるが、ヘッドフォンには、密閉型と開放型がある。ドライバーユニットは、振動板が前後に振幅して音を出す。振動板の前面から出た音は耳に届くのだが、当然、振動板の後ろに向かっても同じように音が出る。そのユニット背面の音を、樹脂や木材などの密閉したハウジングで覆って漏れないようにしたのが密閉型。逆に、ハウジングをメッシュなどにして外に出るように設計されたのが開放型だ。
一般的な利点として、密閉型はハウジング自体が楽器の筐体のように共鳴するため低音が出しやすい。また、当然ながら外の騒音などのノイズが耳に入りにくい。そのため、ノイズキャンセリングヘッドフォンも密閉型が基本だ。
開放型の利点は、ハウジング内に音がこもらないので抜けが良く、開放的な音場が出せる事。頭の中に音がこもるような頭内定位が苦手という人にもマッチする。またハウジング自体が軽量なので、軽くて長時間装着しても疲れにくいヘッドフォンを作れるといったメリットもある。一方で、外のノイズが耳に入りやすいのがデメリットとなる。音漏れも激しいので、電車やバスなどの中ではマナー的に使いにくい。
以上のような違いがあるため、屋外での使用をメインとしたポータブルヘッドフォンの多くは密閉型。屋内利用が多い開放型は、高級機に多く、家電量販店などでは“奥の方”に置かれている事が多い。
ハウジング部は塞がっておらず、ここから音が漏れる密閉型(右)の場合はハウジングが完全に塞がっているHD 560Sは、そんな開放型ながら、そこまで高価でないところがポイントだ。箱を空けてみるとヘッドフォン本体と、余裕のある長さ3mの6.3mm標準プラグケーブルと3.5mmステレオミニ変換アダプタ、注意書きの書かれた紙が入っている。ケーブル片出しで取り外し可能。ケーブルのヘッドフォン側には溝があり、差し込んだ後に右にひねると固定される。
同梱物はヘッドフォン本体、6.3mm標準プラグのケーブル、3.5mmステレオミニ変換アダプタケーブルは取り外せる重量は約240gで、着けてみると重さはあまり感じない。筆者の場合はヘッドバンドを頭頂部から少し後ろの位置にするとホールド感もほどよく快適に着けられた。イヤーパッドとバンドの内側はソフトなベロア地で、装着感はしっかり目ながら、締め付けられる様な感覚はあまり感じず、しばらくすると、ほどよく外の音が聴こえることも相まって、ヘッドフォンを着けている感覚がなくなってくる。