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11/03/2022
左右分離型イヤフォンはすでに多くのメーカーが参入し、また低価格化も進んだことで、完全普及モードに入ったと言っていいだろう。そんな中、「TrueWireless」という言葉が一人歩きしているようにも思える。
NUARL「NT01AX」再生機との接続がワイヤレスというだけでなく、左右も繋がってないからTrueWirelessだろうと思っている方もいらっしゃるかもしれないが、実はTrueWirelessはQualcommの音声伝送技術の名称である。
一般的にQualcommのSocを搭載した左右分離型イヤフォンは、左側がBluetooth経由で音楽を受信し、左チャンネルの音を再生するとともに、右側へ右チャンネルの信号を伝送する(左右逆の設計もあり得る)。現在のBluetoothの仕様では、再生機と受信機が1対1でペアリングするので、左右の音を分けてデバイスに伝送する事ができないからである。この伝送方式を「TrueWireless Stereo」と呼んでいる。
左右分離型で音切れが問題になるのは、この左右間の伝送が途切れるからだ。電波は水の中を伝送できないわけだが、頭というのは大量の血液が循環するため、頭の中を直進できない。そこで各社とも、音切れを無くすために、電波出力を上げたり、アンテナ形状を工夫したりして、頭を迂回して左右を接続している。
音切れしにくいことで知られるNFMIは、この左右間の伝送を、電波ではなく電磁誘導で伝送する。平たく言えば、磁力で伝送するわけだ。磁力は水中でも伝送できるため、頭の中を突き抜けて左右間を伝送できる。だから、音切れに強いと言われている。
一方でQualcommでは、すでに2017年からBluetoothで複数のデバイスに同時接続できる技術展示を行なっていた。その延長線上として、左右の音をBluetoothで別々に伝送する「TrueWireless Stereo Plus」という技術を実現した。
左右を独立して伝送できれば、左右間の音切れ問題は解決する。このTrueWireless Stereo Plusを搭載したのが、NUARLの「NT01AX」だ。昨年12月14日の発売で、価格は18,000円となっている。今回はこのイヤフォンを試してみたい。
TrueWireless Stereo Plusに対応したNUARLの「NT01AX」