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11/03/2022
通勤/通学時や、テレワークでの自宅作業中に音楽を聴いている人は多いでしょう。そんな背景もあり、完全ワイヤレスイヤホンを愛用する人は増え、市場にも様々な製品があふれかえっています。
音質のみならず、アクティブノイズキャンセリング機能(以下ANC)や防水性能といった多機能を求めると、2万円前後するモデルが多かったのですが、実は完全ワイヤレスイヤホン市場は、この1年ほどを見てもコスパに大きく変化が見られています。
今回紹介するXiaomiの「Redmi Buds 3 Pro」は、6990円という価格ながら、ANCを含む複数の機能を搭載した“価格破壊”ともいえる製品。実機を試せたので、早速レビューをお届けしていきましょう。
Xiaomiの「Redmi Buds 3 Pro」は、公式オンラインショップのほか、一部ECサイトや家電量販店にて発売中。公式オンラインショップでの販売価格は6990円と、完全ワイヤレスイヤホンとしては比較的安価な製品になっています。
ただでさえ安く手に入れられる製品ですが、ANC機能搭載や防水に対応するなど、細かな仕様を見ても満足度の高い製品に仕上がっています。
まずは本体のデザインや装着感について。「Redmi Buds 3 Pro」は耳の穴に挿入して使用するカナル型の完全ワイヤレスイヤホンとなっているのですが、本体の形状は少し独特なものになっています。
イヤホンの先端、音の出る部分は耳の穴にしっかりと入り込むのですが、ボディ部分は耳を塞ぐ“蓋”のような役割ができるので、密閉感があり音楽への没入感が高められています。耳にぴったりとフィットするため安心感があり、後述するANC機能と合わせてみると、周囲を気にせず音楽に集中できるようになっているのはポイントでしょう。
また、本体は片耳約4.9gとかなりの軽量設計になっているので、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴。バッテリーは連続音楽再生時間が約6時間(ANCオフ時、音量50%での再生)と、必要十分の駆動時間が確保されています。また、10分の充電で約3時間の再生が可能になる急速充電にも対応しました。
充電ケースは卵型になっており、ケース併用時は約28時間のスタンバイ時間を有しています。ケースはUSB Type-Cでの充電のほか、ワイヤレス充電にも対応しています。
6990円、ANC搭載の完全ワイヤレスイヤホンということもあり、実際に試すまでは正直音質にあまり期待していなかったのですが、これはいい意味で裏切られることになります。
「Redmi Buds 3 Pro」には9mmの「複合振動膜ドライバー」が内蔵されており、音の輪郭をはっきりと際立たせた、“キビキビ”とした音質が魅力。若干高音の響きが弱い印象も受けますが、全体的に明瞭度が高く、バランスの良いサウンドを再生できます。
対応コーデックは「SBC」と「AAC」のみですが、これも価格を考えれば十分許容できる内容でしょう。AACに対応しているため、当然iPhoneといったアップル製品との接続も快適です。
また、イヤホンの側面はタッチ操作に対応しており、ダブルタップで音楽の再生/一時停止、トリプルタップで曲送りといった操作が可能。長押しすることで、ANCモードと外部音透過モードの切り替えが行えます。
細かい部分ですが、“ワンタップ”での機能をあえて割り振らなかったのが個人的に好印象。というのも、完全ワイヤレスイヤホンのタッチ操作は便利な反面、取り外しや位置の調整といった際に誤タップを頻発してしまうという弱点もあります。ワンタップでの操作を設定しないことで、誤操作の頻度を減らせるのはポイントでしょう。
本製品には、フィードフォワードマイクとフィードバックマイクを備えた「デュアルアクティブノイズキャンセリングテクノロジー」が採用。これにより最大35dbのノイズを除去可能となっています。
体感としても、ノイズの除去レベルは優秀でした。自宅で使用していると、各家電の動作音はほぼ完全に除去されており、インターホンの音にも気が付かないレベルです。電車移動時なども周囲の音がかなり低減されるので、音楽に没頭することができました。
本製品で通話を行う場合には、先に登場した2つのマイクに加え、トークマイクを活用することで、周囲のノイズを低減しながら話し声をクリアに届けることができます。オンライン会議といったシーンでも十分活躍できる性能でしょう。
また、本体はIPX4の耐水性能を有しており、雨や汗による故障の心配が少ないのもポイント。装着感が良く軽量な製品であるため、ランニングをする際などに用いるのもおすすめです。
実際に「Redmi Buds 3 Pro」を使用していて、音質や装着感に不満があるシーンはほぼ見られませんでした。加えて安心の防水機能や、便利なANCに対応していることを考えると、6990円という価格は“破格”とも思える満足度の高い製品です。
もちろん、数万円するハイエンド完全ワイヤレスイヤホンの中には、イヤホン単体で10時間以上のバッテリー持続時間を持つ製品や、より豊富なBluetoothコーデックに対応している製品もありますが、費用対効果という点で見ると、本製品ほど優れたモデルはあまりないのかもしれません。
安価に入手可能ながら、満足度の高い性能を多数有しているイヤホンになっており、改めて各ジャンルに高コスパ製品を揃えるXiaomiの力を感じさせられる製品になっています。
取材・文/佐藤文彦