テクニクス、ブックシェルフ初の“重心マウント構造”採用スピーカー「SB-C600」

テクニクス、ブックシェルフ初の“重心マウント構造”採用スピーカー「SB-C600」

テクニクス、ブックシェルフ初の“重心マウント構造”採用スピーカー「SB-C600」

パナソニックは、同社テクニクスブランドの “プレミアムクラス” に位置づける新たなブックシェルフスピーカー「SB-C600」を、2月25日より発売する。価格は110,000円(ペア/税込)。同軸2ウェイユニットも新開発点音源・リニアフェーズ思想を受け継いだ2ウェイ・2スピーカー構成のブックシェルフ型スピーカー。2.5cmドーム型トゥイーター×1、15cmコーン型ウーファー×1による新開発の同軸2ウェイユニット「Advanced Phase Precision Driver」を搭載し、高域の位相ズレに起因する特性の乱れを補正する「Linear Phase Plug」や、広いサウンドステージとなめらかな中高域を実現する「Smooth Flow Diaphragm」が新たに投入されている。Linear Phase Plugは振動板のドームの高さに起因する位相差を補正する機能、到達時間の速い振動板中心部の波面の進行を遅らせて振動板周辺部の波面と揃える機能、生成した球面波を整える機能の3機能を持つ。この独自形状により、同軸ユニットの位相ずれを補正し、指向性が広く透明感のある高域再生を実現したとする。Smooth Flow Diaphragmでは、音波が伝達する面に凹凸があると悪影響を及ぼすことから、同軸2ウェイユニットのウーファー部には浅型振動板を採用するとともに、ウーファーの振動板からバッフルまでがスムーズにつながる形状を採用。さらに、浅型振動板には振動モードや周波数応答解析に基づき、外周部に折り返しの補強構造を設けたり、中心部にサブコーンを追加したりするなどの工夫を加え、低い周波数で分割共振が発生しにくい構造にしたとしている。また、同軸ユニットのウーファーとトゥイーターの振動板素材には、どちらもアルマイト処理されたアルミニウムを採用することで音色の統一が図られている。本モデルの特徴に、ブックシェルフ型として初めて、フロアスタンド型の「SB-G90M2」と同様の「重心マウント構造」を採用したことが挙げられる。これはエンクロージャー内部にスピーカーマウントバッフルを設け、ユニットを重心位置で固定・支持することで、振動板が振幅したときのユニット自身の揺れを低減し、上下左右にブレの少ない正確な振動板のストロークを実現するもの。さらに、スピーカーマウントバッフルは振動モード・応力解析などを基に、強度を保ちつつエンクロージャー内部の空気の流れを損なわない形状に最適化したという。この結果、音の粒立ちに優れ、立体的な音場を実現したと同社は説明する。加えて、エンクロージャー内部のスピーカーマウントバッフルは強固な筐体構造にも寄与しており、エンクロージャー全体の振動を低減。従来のブックシェルフ型スピーカーと比べて、ラックなどへの振動の伝播も大幅に低減されるとしている。バスレフポートはフロント側に配置されており、壁際への設置でも影響が少ない。その形状には風切り音などのノイズを排除するため、「Smooth Flow Port」を採用した。流体解析技術を基に空気の流れを最適化した断面形状が、ノイズの発生源となる空気の渦の発生を最小限に抑え、ポート表面の突起形状が空気の渦を細かく分散することで、ノイズ発生や空気の流れの抵抗を低減する構造となっている。ほか、各パーツも厳選した。ネットワーク回路には、メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサー、積層鋼板コア型コイル、OFC(無酸素銅)スピーカーケーブルなどの音質の劣化の少ない高品位パーツを採用し、スピーカー端子には金メッキ加工の真鍮削り出し品を採用する。本体はマットブラック仕上げで、スピーカーネットは円形を採用する。再生周波数帯域は40Hz - 100kHz、クロスオーバー周波数は2kHz。出力音圧レベルは83dB/2.83V(m)、インピーダンスは4Ω。外形寸法は173W×293H×283Dmm、質量は約6.3kg。

編集部:押野 由宇