フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/6AT)/up! GTI(FF/6MT)【試乗記】 これがGTIの流儀

フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/6AT)/up! GTI(FF/6MT)【試乗記】 これがGTIの流儀

フォルクスワーゲンにとって特別な名前

各ブランドには、無条件で特別な存在であることを納得させる伝統のネーミングがある。例えば「AMG」と聞けば、多少なりともクルマを知る人なら、それがメルセデスの中でも極めてエクスクルーシブな高性能モデルであることをすぐにも理解できる。BMWであれば「M」の称号を持つモデル、ポルシェであれば「GTS」、ランボルギーニであれば、「スーパーレジェーラ」がそれに当たる。今や独立して車種を示すネーミングになったが、日産(スカイライン)の「GT-R」やホンダの「タイプR」もまた、誰もが特別視する伝統のエンブレムだろう。

フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/6AT)/up! GTI(FF/6MT)【試乗記】 これがGTIの流儀

そうした特別なネーミングをフォルクスワーゲンの中で探せば、「GTI」がそれに該当する。ご存じのように、GTIシリーズは1976年に初代「ゴルフGTI」が欧州で登場して以来、途切れることなくゴルフの各世代で綿々と受け継がれてきたものだ。余談だがゴルフGTIはシリーズの総生産台数が220万台を超え、日本でもこれまでにシリーズ累計6万台を販売。このセールスは、世界市場でもトップ5に入る大いなる実績なのだという。

今回、日本市場において、カタログモデルとしてすでにラインナップされているゴルフを筆頭に、A、B、CセグメントのGTIシリーズ3モデルが約13年ぶりに出そろった。Aセグの限定車、up! GTIとCセグの特別仕様車「ゴルフGTIダイナミック」は2018年6月8日に、Bセグの新型ポロGTIはカタログモデルとして同年7月3日に発売。up! GTIは600台限定、「ゴルフGTIダイナミック」は、6段DSG仕様と6段MT仕様のうち後者が100台の限定販売となる。

ちなみに「GTI」とは「Gran Turismo Injection」の略で、今では当たり前すぎて何を言っているんだといわれそうだが、ゴルフの高性能モデルとして初めてフューエルインジェクションが採用されたことに由来する。そのワールドプレミアの場となったのは、1976年のフランクフルトショー。初代ゴルフの誕生から2年後のことであり、今から40数年以上も前のこととはいえ、そこに隔世の感はぬぐえない。

2017年9月のフランクフルトショーで世界初公開された、新型「フォルクスワーゲン・ポロGTI」。日本では2018年7月に発売された。
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ダッシュボードを中心に、各所に用いられた赤い配色が目を引くインテリア。チェック柄のシートは、初代「ゴルフGTI」から受け継がれるGTIシリーズ伝統のデザインだ。
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カタログモデルとしてラインナップされる「ポロGTI」に対し、「up! GTI」は日本では600台の限定販売。しかも、すでにそのほとんどは“売約済み”だという。
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フォルクスワーゲンにとって伝統の高性能グレードである「GTI」。1976年に初代「ゴルフ」に設定されて以来、「シロッコ」「ポロ」「ルポ」「up!」と、さまざまなモデルに設定された。
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