二足歩行して空も飛ぶ! 初見で好きになるキモカワロボット「LEO」

二足歩行して空も飛ぶ! 初見で好きになるキモカワロボット「LEO」

応援したくなるヨチヨチ歩き。好き。

空飛ぶし、スケボー乗るし、スラックラインもしちゃうドローンがあるって聞いて驚きました。それドローンなの?って思ったら、正体はキモカワでなんだか愛嬌のあるロボット。歩くと飛ぶという動きをミックスした未来のロボット、LEONARDOくん。

LEONARDO、通称LEO。あのレオ様のレオと同じですが、名前の由来は「LEgs ONboARD Drone(脚付きドローン)」。LEOを開発しているのはカリフォルニア工科大学(カルテック)の研究チーム。名前は脚付きドローンですが、もちろんドローンに脚ガコーンとつけただけではありません。歩く・飛ぶという2つの動きをうまく組み合わせるために、ゼロからの設計、ソフトもLEO専用に開発です。

アトムやアイアンマンから影響を受けた、試作ロボット

現段階で、LEOはまだプロトタイプ。飛ぶ・歩くの両方をこなせるロボットのコンセプトを実証するための試作品です。歩く・飛ぶができれば対応できるタスクの幅が広がり、将来的にはインフラ設備の補修や、高所作業、産業事故や自然災害での利用が想定されます。そのうち、火星でも活躍する可能性も。

米Gizmodoが、カルテックにメール取材したところ、LEOの見た目は、鉄腕アトムや、リチャード・ブラウニング氏が開発したアイアンマンみたいな空飛ぶスーツから影響を受けているといいます。なキモカワと言っては失礼ですが、愛嬌を感じる理由はアトムでしたか。なるほど、なんかわかります。とはいえ、見た目はあくまでも見た目で、プロジェクトの目的は歩く・飛ぶのミックス、ハイブリッドな動きのコントロールなどを研究することです。

飛ぶ・歩くでエンジニアは苦戦しつつ、自然界では昔から当たり前の動き。鳥しかり、虫しかり。しかし、鳥や虫よりだいぶ遅れてこの世に誕生したロボットは進化のハンデがあって、飛ぶか歩くかのどちらかの動きのみ。歩く=陸を行くロボの利点は安定さと重い荷物を持てること、デメリットは高い所に届かないこと。飛ぶ=空のロボット(ドローン)は、機動性が高くさまざまな環境下でも飛行できる一方で、エネルギー食いでマルチタスクが不得意。カルテックは、この両者のいいところ(陸での安定と空での機敏さ)を組み合わせるためにLEOを開発しました。

二足歩行して空も飛ぶ! 初見で好きになるキモカワロボット「LEO」

まず必要なのは、安定かつ軽量な部材。そして、4つのプロペラと脚のジョイントを、バラウンスを失わないようコントロールするアルゴリズムです。歩く動きと飛ぶ動きという、従来のロボットの概念では、ねじくれ曲がって融合できない仕組みをなんとか落とし込む一大チャレンジ。その詳しい専門的なところは、論文に納められています。

歩けて飛べて、バランス感覚抜群

LEOの体重は2.58キロ、身長は75センチ。スレンダーなボディで、脚に多くの複数のジョインを設けることで離着陸をサポート。さらに4枚のプロペラはジャンプとシンク。LEOの歩き方を見ると、初めてのヒールなのにすごいピンヒールにしちゃった!みたいな危うさを感じますが、実はバランス抜群。バランスをとるためあえての歩きかた。また、いざという時は、プロペラが作動してバランス・安定をサポートします。なるほど、飛ぶと歩くの動作が個別ではなく助け合える関係になっていますね。バッテリやセンサはすべて上半身に集中させ、ワイヤーがでない作り。ちなみに、現段階の試作品では、動きの可能性がメインで電力効率は二の次だそう。

実験では、歩くと飛ぶの動きを交互に繰り返しつつ、バランスのためにどちらの要素も必要なスケボーやスラックラインにも挑戦。研究チームは、LEOプロトタイプによって、複数のローターを持つ飛行物という機能を保持したまま、陸での複雑な動きを伴う二足歩行は可能であると、かなり自信をみせています。

キモカワで複雑なタスクができるLEOには大きく期待しつつ、一方で弱点を指摘する声も。チューリッヒ工科大学の環境システム科学部のStefano Mintchev研究員は、LEOの研究には直接関わっていないものの、助言としてこう語っています。

さらに、体を平たくして空を飛ぶ蛇など、自然の生き物から学びつづけるべきともアドバイスしています。

LEO、これからウォッチしていきたいロボですね。

Source: ScienceRobothics