「Beats Flex ー fragment designスペシャルエディション」 Apple公式サイトで販売開始
11/03/2022
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28コメント28件グーグルのフラグシップスマホ、左がPixel 6、右がPixel 6 Pro
グーグルから最新のAndroid 12を標準搭載するフラグシップスマートフォン「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」の2機種が10月28日に同時発売される。最新モデルのファーストインプレッションを報告したい。【写真】カメラ機能もより簡単&楽しく■Pixelシリーズのフラグシップ5Gスマホグーグル純正のプロダクトであるPixelシリーズには、スマホとワイヤレスイヤホンがある。日本に上陸したPixelシリーズのスマホは2018年の「Pixel 3」「Pixel 3 XL」以降、間に型番に「a」が付くスタンダードモデルを挟みつつ、フラグシップとしては4つめのシリーズになる。国内の携帯通信事業者による販売はPixel 6がKDDIとソフトバンク、Pixel 6 Proはソフトバンクのみが取り扱う。Google StoreではSIMフリーモデルの直販を行う。価格は内蔵ストレージのサイズによっても異なるが、Pixel 6が74,800円(税込)から、Pixel 6 Proが116,600円(税込)から。5Gネットワークによる通信は両モデルが5G Sub-6に対応。Pixel 6 Proは5Gミリ波もサポートする。ただし5G通信については発売当初はKDDIとソフトバンクのネットワークのみに対応。NTTドコモと楽天モバイルについてはソフトウェアアップデートによる追加対応が予定されている。■ともに6インチ台の可変高速駆動対応ディスプレイを搭載Pixel 6は6.4インチ、Pixel 6 Proは6.7インチの有機ELディスプレイを搭載した。Pixel 6は解像度がFHD+(2,400×1,080画素)、アスペクト比が20対9。Pixel 6 ProはQHD+(3,120×1,440画素)、アスペクト比が19.5対9。ともにHDRコンテンツの表示をサポートするほか、「スムーズディスプレイ」の機能をオンにするとPixel 6は最大90Hz、Pixel 6 Proは最大120Hzの可変リフレッシュレート表示に切り替わり、速くスクロールする画面表示が滑らかになる。ディスプレイには生体認証に対応する埋め込み型の指紋認証センサーを内蔵する。画面に表示されるセンサー内蔵位置に指紋を登録した指をあてがうと、センサー部分が明るくフラッシュして画面ロックを解除する。「Pixel 5a (5G)」の背面に搭載する指紋センサーに比べると、一呼吸ほど長く画面に指を触れる必要がある。ディスプレイのサイズと同様に、本体の大きさもPixel 6シリーズの2機種どうしで大きく差がない。片手持ちでの操作はどちらかと言えばPixel 6の方が少し楽にできるものの、質量が200gを超えているので、やや持て余す感じもある。■自社設計のSoC「Google Tensor」を搭載スマホの頭脳であるメインプロセッサにはグーグルが自社設計した「Google Tensor」が搭載された。計8基のCPUコア、20基のGPUコアを備えて、「Pixel 5」に採用していたクアルコムのSnapdragon 765Gよりもパフォーマンスが最大80%向上した。CPU/GPUと、機械学習に特化するブロックである「TPU(Tensor Processing Unit)」が連携してオンデバイスで完結する機械学習処理のスピードアップと消費電力の効率化を図る。カメラから入力される画像信号を処理するISPプロセッサもまた、Pixel 6シリーズの画期的なふたつのユニークなカメラ機能の実現に欠かせない。ひとつがフォトアプリの機能として提供される「消しゴムマジック」だ。旅行写真のように背景を伴う人物撮影のクオリティアップに役立つ。写り込ませたくない人物、景観を損なう被写体などを、スマホ上の画像加工処理だけで素速くきれいに消せる。アプリから「消しゴムマジック」を選択すると、ユーザーが消したいであろうオブジェクトを機械学習によるアルゴリズムが自動で検出・提案してくれる。複数の人物が写っている写真など、オブジェクトを一気に選んで消すことも可能だ。処理にかかる時間は数秒も要らない。加工の跡もほとんどわからないほど自然に消し込んでくれる。写真はビフォー/アフターともに端末に保存できる。■AIによる高度な機械学習処理を活かしたカメラ機能もうひとつはカメラアプリの新機能となる「モーション」撮影モードだ。スマホのカメラは暗い場所の被写体もブレなく鮮明に撮影することには長けているが、デジタル一眼レフカメラのようにマニュアル設定を細かく追い込んで、動きのある被写体の “モーション感” を再現するアーティスティックな撮影はあまり得意ではなかった。仮に細かなマニュアル撮影設定ができたとしても、筆者の場合はその手間をスマホでかける気分になれず、機能に手を出すこともあまりなかった。Pixel 6シリーズに搭載される新機能の「モーション」は、カメラアプリを起動してから撮影モードを「モーション」に切り換えて、「アクションパン」と「長時間露光」のメニューを選ぶだけ。あとはシャッターをタップするだけで、スマホのカメラらしく簡単にアーティスティックな写真が記録できる。アクションパンと長時間露光は、どちらもカメラで言うところのシャッタースピード調整を、データの後処理加工によってアーティスティックな雰囲気に仕上げる機能だ。ホームに侵入してくる電車を「アクションパン」で撮ってみた。データは本来全体がブレずシャープに記録できているのだが、フォトアプリからモーションモードのオン・オフを切り換えるとダイナミックな動きが付けられる。長時間露光も仕組みは同じ。夜景を撮って光線に動きを付けたり、水が力強く流れる様子を写真に残せる。■レコーダーアプリによる日本語対応の文字起こしが使えるTensorのパワフルな機械学習処理は、文字認識アプリのパフォーマンスの限界を押し上げる。クラウド上のAIを介さずに、デバイス上の処理によって高速かつセキュアに自動翻訳や文字起こしができる。Pixel 6シリーズでは、従来からAndroid OSに搭載する「リアルタイム翻訳」やGoogleアシスタントに話しかけながら使える「通訳モード」のレスポンスが大きく向上している。翻訳を解析して表示するまでのアイドルタイムがほぼないため、会話の相手を待たせることなくスムーズにコミュニケーションがとれそうだ。筆者のように発表会やインタビューの取材に携わるライターは、日本語の認識にも新たに対応したPixel 6シリーズの「レコーダー」アプリによる文字起こしが重宝するだろう。レコーダーアプリは元から英語による文字起こしの精度・スピードに定評があった。日本語の出来映えが気になっていたが、筆者が試した限りスピーチtoテキスト変換の精度や速さは十分に「使いもの」になる完成度だと思う。もちろん所々に誤って認識されている箇所も散見されるが、会話の現場に立ち会っていれば後から思い出しながら内容を補足できるほど、レコーダーアプリの文字起こしが会話のアウトラインをなぞってくれる。発話のセンテンスが長くなると、テキスト化されたデータが読みやすくなるようアプリが適当にスペースを挟み込んでくれる。■オーディオ・ビジュアルの気になるポイントもチェックしたオーディオ・ビジュアルの目線からPixel 6シリーズの実力を検証してみよう。2機種が搭載するディスプレイはともにHDR映像コンテンツの表示に対応するとうたわれている。輝度のパフォーマンスについてはスペックを公表していない。ディスプレイの輝度を最大にして、iPhone 12 Pro Maxで撮影したHDR動画をPixel 6 Proに転送。映像の見え方を比べてみた。Pixel 6 Proのディスプレイはカラー設定がデフォルトの「ナチュラル」にした状態で色温度がやや高く、明暗のコントラスト感を強調した色づくりになっていた。Pixel 6シリーズはカラー設定以外にディスプレイの詳細を追い込むメニューをほかに設けていない。オーディオは3.5mmヘッドホンジャックを搭載してないところが、スタンダードモデルであるPixel 5a (5G)と異なっている。USB-C端子からの変換アダプター、またはハイレゾ対応のUSB DACを内蔵するヘッドホンアンプなどを併用したい。ひとつ気になることは、リニアPCMで最大384kHz/32bit再生に対応するShanlingのUSB-C接続のポケットDAC「UA1」をつないで、Amazon Musicの192kHz/24bitのUltra HDコンテンツを再生してみたところ、Pixel 6/Pixel 6 Proともに端末の再生スペックが96kHz/24bitを上限として表示されたことだ。Pixel 5a(5G)で確かめたところ、同じ192kHz/24bitのハイレゾ音源をそのまま再生できている。端末とアプリのどちら側に起因して発生した現象なのか、Pixel 6シリーズの発売後に再度確かめてみる必要もありそうだ。Bluetoothオーディオのコーデックは、エンコーダがAndroid Open Source Projectに寄贈されているLDACとaptX HDがPixel 6シリーズでも利用できる。aptX Adaptiveには非対応だ。内蔵スピーカーによるオーディオ再生も確認してみたが、本体を横に構えて視聴すると左右のバランスに若干の偏りが感じられる。トップが正面向き、ボトムが側面向きに開口部を配置するスピーカーであり、そのギャップをハードウェアやDSPによる調整で追い込み切れていないところに原因があるのではないかと推察する。■Android 12の最新機能にいち早く触れられるAndroid 12にはカスタマイズ性を高めた新しいユーザーインターフェース「Material You」が採用される。壁紙やノーティフィケーショントレイのアイコン表示の基本色を、ユーザーが好みに合わせて変更できる。ベータ版として提供される「テーマアイコン」を選択するとグーグル純正アプリのアイコンは設定した基本色に合わせて、単色でシンプルに表示される。Pixel 6シリーズはGoogle TensorチップによるイノベーティブなAI関連の機能と、最新のAndroid 12のアップデートをいち早く試せる魅力的な5Gスマホだ。光学4倍ズーム機能を搭載する望遠カメラ、最大120Hz駆動のスムーズディスプレイなどにこだわらないようであれば、6.4インチの「Pixel 6」が4万円ほど安く買えるのでお得と言えるのではないだろうか。
山本 敦
最終更新:PHILE WEB