「Beats Flex ー fragment designスペシャルエディション」 Apple公式サイトで販売開始
11/03/2022
もう、ミラーレスに行かなくちゃ。
レンズ交換式のデジタルカメラは、ミラーレスが主流になりつつあります。一方、東京五輪などを見ていても、まだスポーツや報道の世界ではデジタル一眼レフのフラッグシップ機がメインとなって活躍していました。そう、まだまだミラーレス機にその座は渡さないぞ、というデジタル一眼レフの声が聞こえてきそう。でも、もうそんな状況は終焉を迎えようとしているのかもしれません。
本日10月28日、かねてよりティザーサイトが公開されていたニコンの新しいカメラが発表されました。その名も「Z 9」。ミラーレスのフラッグシップ機です。その性能といったら、一般のカメラ愛好者では手に負えないほど進化しています。これがニコンの本気なのか! ということで、実機の写真とともにご紹介します。
Z 9のキャッチフレーズは「UNSTOPPABLE」。向かうところ敵なし、といった意味が込められてます。静止画・動画ともにニコン最高峰であるとメーカーは豪語。その基本スペックをどうぞ。
センサー:新開発の積層型CMOSセンサー
有効画素数:45.7メガピクセル
画像エンジン:EXPEED 7
常用ISO感度:64-25600
AF測距点:493点 3Dトラッキング対応
静止画最大連続撮影コマ数:120コマ/秒
動画撮影機能:最高8K30pの内部記録対応
ボディ内手ぶれ補正:最高約6段
シャッター機構:電子シャッター
重量(本体のみ):1,340g
とまあ、こんな感じになっています。
画素数だけ見るとZ 7IIと同じなんですけど、センサーは新開発ですし画像エンジンも新開発のEXPEED 7。別物といってもいいでしょう。ご紹介したいポイントはいろいろあるのですが、気になる注目ポイントを解説します。
まずはAFから。ニコンのミラーレスカメラでは初の3Dトラッキングに対応(静止画のみ)。AF性能はD6よりも上とのこと。また、ディープラーニングを用いた多彩な被写体検出に対応しています。
検出できる被写体は、人物、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機の9種類。これだけの被写体を自動検出するカメラはZ 9以外ありません。しかも、人物はゴーグルやサングラスをしていても、逆さまでも瞳検出が可能。スキーのモーグルの撮影に向いてそうですね。
また、メカシャッターレスというのも注目ポイント。通常ミラーレスカメラでもメカシャッターと電子シャッターを併用しているものがほとんどですが、Z 9は電子シャッターのみ。そうなると気になるのがローリング現象。あれですよ、高速に動いているものを撮影するぐにゃっと曲がってしまう「こんにゃく現象」のことです。これを防止するためにメカシャッターを併用するわけですが、Z 9には搭載されていません。
これを実現しているのが、世界最速のスキャンレート。30メガピクセル以上の撮像素子カメラでは最速で、ゴルフのインパクトの瞬間を撮影しても歪みません。自信があるからこそ、メカシャッターレスという思い切った設計ができたのですね。
ミラーレスカメラにおいて、EVFの見え方はかなり重要なポイント。その点Zシリーズはかなり優秀なイメージがありますが、Z 9ではさらに進化しています。EVFには新開発のQuad-VGAパネルを搭載し、輝度は世界最高の3,000カンデラ。従来の3倍の明るさです。
そして、世界初の「Real Live Veiw Finder」を搭載。通常カメラは、連写時に一瞬被写体がファインダーから消失する「ブラックアウト」という現象が起きますが、このReal Live Veiw Finderではブラックアウトが起きません。これにより、すべての瞬間が見え、シャッターチャンスを逃すことがなくなります。
Z 9は動画撮影にもかなり注力しています。最近のミラーレス一眼は4K動画が録れるものが増えていますが、Z 9は8K 30p動画の内部記録に対応。それだけじゃありません。なんと最長125分の連続撮影が可能なのです!
これはかなりすごいことじゃないですかね。8Kで2時間の動画が録れるなんて、モンスター級ですよ。しかもファームアップにより、RAWで8K 60Pをカメラ内保存できるようになるとのこと。
このほかにも、最高120コマ/秒で撮影できる「ハイスピードフレームキャプチャ+」(画素数は11メガピクセル)や、RAW+JPEG(Fine)での連続撮影枚数が1,000枚(CFExpressカード使用時)とか、ほんと一般人の僕らは一生使わなさそうな機能もあります。怖くなるくらいの性能モンスター。それがZ 9なんですよ。
実際にZ 9を見ると「意外と小さいな」と感じます。でも手に取ってみるとズシリとした重さが。実際には1,340gあり、D6の1,270g(本体のみ)よりも重たいのですが、見た目が小さい分、余計重量を感じます。ただし、その重量感が「フラッグシップ機だな」と感じさせてくれます。
おもしろいなと思ったのが、センサーシールド。CMOSセンサーにごみが付かないようにするためのシールドですが、これがシャッター幕のように3枚構造になっているんですよね。これならホコリ入らなそうです。
背面液晶は2段階ヒンジになっており、横位置だけでなく縦位置でもチルト撮影ができます。ただ、縦位置で三脚にカメラを取り付けている場合、雲台と干渉しそう…。大丈夫かな?
お次は、Zシリーズと一緒に記念撮影です。Z 50、Z 7IIにお越しいただきました。ありがとうございます。大きさを見てみると、やはりZ 9の大きさが際立ちますね。Z 7IIですら小さく見えます。Zマウントの口径はかなり大きいのですが、Z 50を見ると若干ボディよりもマウント部がはみ出している感じですね。光をいっぱい取り込めそう。
上からも。Z 9とZ 7IIには液晶がありますが、Z 50にはありません。
横から。グリップ側から見ると、3機種ともグリップに充分な厚みがあります。
デザイン的には統一感があって、「おお兄弟!」という感じがしていいですね。
最後にデジタル一眼レフのフラッグシップ機「D6」と記念撮影です。どちらも堂々とした佇まいですが、並べてみるとZ 9のほうが小さいのがわかります。あと、Fマウントが小さく見えますね。ボタンの配置などは、D6と同じようにデザインされているのがわかります。
斜めから。ここで気になったのが向かって左肩にあるニコンの象徴、赤いマーク。これがZ 9では短くなってるんですよね。これはZシリーズ共通です。
横から。やはりグリップ部は同じくらい厚みがあります。縦位置のシャッター位置はZ 9のほうがやや内側になっています。
上から。液晶が異なっているのと、軍幹部のデザインが違うのがわかります。左のダイヤルボタンも数が違います。
ということで、両フラッグシップの共演でした。なお、Z 9は年内発売予定で、市場予想価格は70万円前後です。
Z 9と同時に、2本のレンズの発売も発表されました。1本目が「NIKKOR Z 24-120/4S」。ニコンが得意な24-120mmの使いやすいレンズのZマウント版。細身の鏡胴で扱いやすそう。重さは630g。なお、レンズに手ぶれ補正は搭載されていません。その分軽くて細身なんですね。発売は2022年2月の予定。市場想定価格は15万4000円です。
もう1本が「NIKKOR Z 100-400/4.5-5.6S VR」。こちら、望遠ズームによくあるズームをすると重心が前玉に寄ってしまう現象を回避する「重心移動レス機構」を搭載。ズーム時でも重心がほとんど移動しないため、構えながらのズーミング時でも安定した撮影ができます。また、レンズの自重落下の抑制にもなっています。レンズ重量は1,355g。発売は2022年2月の予定で、市場予想価格は38万5000円です。
そして、僕が一番テンション上がったのが「マウントアダプター FTZ II」です! FマウントレンズをZマウントに変換してくれるFTZですが、初代は三脚座が付いていました。この三脚座、役に立つんですが邪魔なときもあり…。でもFTZ IIは三脚座がなくなり、シンプルな円形になりました。いやー、これですよこれ! これは購入決定だ。こちらは年内発売予定で、予想市場価格は3万6300円です。なお、初代FTZもしばらく併売されますが、順次FTZ IIに切り替えられるそうですので「初代が欲しい」という方はお早めにどうぞ。
実は僕、Z 50を愛用しているのですが、いまだD750とD500も使っています。ZマウントのレンズがDXのものしか持っていないのと、やっぱり長年使ってきた信頼性という面で、完全にZシリーズに乗り換えるのを躊躇していたんですよね。
でも今回Z 9の発表を見て、「ニコンはZシステムに本気だ」と感じました。ということは、僕もそろそろZシステムに乗り換えるべきなのかな、なんて思いました。
画質という面では、明らかにZシステムのほうが上なんですよね。Z 50を使っていてもそれはひしひしと感じます。もうD750で撮影する気が起きないくらい。
もし僕と同じように、Zシステムへの移行を躊躇していた方がいたら、僕はこう言いたい。「ニコンはZシステムに本気だから、安心して乗り換えていいよ」って。よーし、D750とD500の下取り価格調べちゃお!