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11/03/2022
待望の、超キュートな(そしてInstagramっぽい)カメラが登場
イタリアのデザイン会社ADR Studioがこれまでで最も愛らしいカメラのコンセプトを発表してから2年、多くの人が笑いものにしてきた。しかしついに、「Socialmatic」オートフォーカスカメラのプレオーダーが始まった。
Instagramアプリのアイコンに似た、ぽっちゃりした四角形のデバイスは、プリンタ機能を内蔵し、ポラロイドのブランドロゴがあしらわれている。値段は300ドルで、2015年1月1日から出荷予定だ。同社は先週水曜日にアマゾンでのプレオーダーを宣伝し始めている。
同社は、今年の1月のConsumer Electronics Showで正式にこのデバイスを発表した。ではさっそく、ホリデーシーズンに向けたプレオーダーであることだし、このポラロイドのクラシックなインスタントカメラの現代版を見てみよう。
ポラロイドの Socialmatic カメラ
SocialmaticはサムスンのGalaxy Cameraと競合するだろうと予想されていたが、この比較はまったく意味がない。どちらもAndroidのソフトウェアを動かし、ワイヤレス接続(Wi-Fi、Bluetoothなど)が可能で、ユーザーがその場で写真を撮って共有できる。しかし、Galaxy Cameraでは、より本格的な写真撮影ができるようになっている。特に第二世代のモデルがそうだ。
簡単に言えば、Galaxy Camera 2のハードウェアはポラロイドに勝っている。サムスンは光学ズームと手ぶれ補正機能だけでなく、画素数(14MP vs 16MP)、タッチスクリーン(4.8インチ vs 4.5インチ)、容量(4GB vs 8GB)で上回っている。Socialmaticのハードウェア仕様にはズーム機能すらないが、もしGalaxyのような機能をすべて備えていたとしても、デジタルならではの問題があっただろう。
サムスン Galaxy Camera 2
しかし、Socialmaticは本格的なカメラとして争うつもりはない。ポラロイドの以前のインスタントデジタルカメラ、Z2300やZ340から、見た目の可愛らしさとたっぷりのノスタルジーを備えてステップアップしたモデルとしてとらえてみよう。内蔵のZINK(すなわちゼロインク)プリンタは、ポラロイドのインスタントフィルムカメラが人々を写真に夢中にさせた栄光の日々を思い出させる。
富士フイルムのInstax Miniや、ポラロイドのインスタント・アナログカメラのような他の製品は、そのノスタルジックな魅力や、写真の現物をあっという間に手に取れることを売り物にしている。
富士フイルムの人気商品 Instax Mini 8
その場で現像する特殊フィルムを使用したそれらの製品とは異なり、Socialmaticはフィルムを必要としない。内蔵のプリンタにもインクは必要ない。ZINKプリンタは2×3インチのフォトペーパーに透明な染料の結晶を配合している。
カメラから熱が加えられ、結晶が融解し、発色する。あら不思議、これで写真のできあがり!しかし、それには、プラスチックのようなZINKのフォトペーパーが必要だ。このような工程を経て、にじまず、耐水性で、破れにくい写真を保存したり友達に手渡したりできる。もちろん、デジタル画像ファイルとして任意のSNSにアップすることもできる。
以前のプロトタイプでは、特に素晴らしい写真が提供されていたわけではない。とはいえ、クラシックなインスタント・フィルムカメラも、品質面はさほどではなかったので、大きな欠点とは言えないだろう。デバイスの目的を考えると、品質は十分であるし、最終的な生産モデルではそれも改善された。
多少写真の質に不満を持ったとしても、Androidアプリで、自分のSNSに直接共有できるデジタルカメラとして有能だ。つまり、写真を撮ってすぐにFacebookやTwitter、Pinterest、のようなサービスに送信できるわけだ。もちろん、Socialmaticに見た目が近いアプリ、Instagramにもだ。
ポラロイドがInstagramを真似したというのは、きわめて公平でも正確でもない。結局のところ、人気のフォトアプリやSNSは明らかに、初めにポラロイドの美学を取り入れているからだ。
実物のサイズは異なる:Instagramのアプリ(左)、クラシックなポラロイドのインスタント・フィルムカメラ(中)、新しいSocialmaticインスタント・デジタルカメラ(右)
だからある意味で、Socialmaticは単にこの製品開発の食物連鎖を一周りして元の状態に立ち戻ったと言える。ポラロイドはまた、この魅力的なレトロデザインの感性を、同社の小さなPolaroid Cube HDアクションカメラにも採用した。
この分厚くフラットで、四角いデバイスの欠点やインスピレーションがどのようなものであっても、応援せずにはいられない。これは、潜在的に大きな魅力を持つ人気商品を持っていながら、モダンな特徴を備えたレトロなブランドという肩書きをいまだ払拭できていないポラロイドの、渾身の一作と言えそうだ。何年もの間、同社が必死に求めてきたものだ。
ポラロイドの事業は、デジタル写真へ消費者市場が変化する中で、巻き添え被害を食らった格好だ。同社は2001年に破産保護を申請した。それ以来、ポラロイドは懐かしい思い出のブランドを最大限に活用する方法を模索し、ライセンス、新しいカメラやプリンタなどの事業に手を出したり、他の方法を追求したりしてきた。
その待望の製品、Socialmaticによって、ポラロイドは再び旋風を起こすことができるかもしれない。唯一立ちはだかる問題は、価格だ。今年のホリデーシーズンには、Galaxy Camera 2を含め、300ドルで手に入るカメラがたくさんある。過去のポラロイドの魅力を思い出し、現在のSocialmaticに消費者が喜んでいくら支払うかが成功の鍵と言えるだろう。
画像提供:トップ画像:Polaroid/Socialmaticclassic Polaroid画像:Shutterstockその他画像:Amazon
Adriana Lee[原文]
※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら
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