「Beats Flex ー fragment designスペシャルエディション」 Apple公式サイトで販売開始
11/03/2022
製品を小さくして機能を減らし、そのぶん価格を安くしようとすれば、さまざまな妥協が必要になることが多い。だが、ときには実に素晴らしい製品が生まれることもある。その一例が「Nintendo Switch Lite」だろう。
DJIも新しい「Mavic Mini」で、これをやってのけた。大きく高価なほかのドローンに備わっている優れた機能のほぼすべてを、手のひらサイズのボディに詰め込んだのだ。
折りたたみ式ドローンのMavic Miniは、ほぼあらゆる点でかつての小型ドローン「Spark」を上回っている。一方のSparkは、ボディを小さくするために多くの妥協が行われていた(にもかかわらず、Mavic Miniより50g重いうえ高価だ)。
Mavic Miniで重量と価格を抑えるために犠牲となった唯一の主要機能は、4K動画の撮影である。ただし、2.7K動画を撮ることはできる。ほとんどの人にとってはこれで十分だろう。わずか250g足らずの重さ(携帯電話よりやや重い程度)でこの画質なら、言うことはない。
Mavic Miniは小さくて軽く、持ち運びがとても簡単だ。旅行にはもちろん、ハイキングやバックパックを背負っての長旅にも最適なドローンといえる。
離陸時の重量は249g[編註:日本仕様は199g]だが、この数値はドローンの世界で重要な意味をもつ。米連邦航空局(FAA)の規定により、米国では重量が0.55ポンド(250g)以上の無人航空機は登録が必要になるからだ。手続きはごく簡単なものだが、Mavic Miniならそれすら不要になる。
[編註:日本仕様は重量が199gに抑えられたことで、多くの場所では日本の航空法の規制対象外となる。軽量化によって飛行時間が短くなり、米国仕様の30分に対して18分になっている]
Mavic Miniをバックパックに詰め込んで長時間歩くことを考えているなら、ドローンとほぼ同じサイズで249gのコントローラーがあることも忘れないでほしい。本体と合わせて500g近くになる上、ケースを使うならそのケースも必要になる。
そして極めて小さいサイズながら、今回のテストでは約26分間を飛行できたほどのバッテリー容量を備えている。もっとも、飛行時間は風と気温に影響されやすい。冬にテストしたときは気温が約1.6℃〜15.6℃だったことから、DJIが主張する30分の飛行時間[編註:日本仕様は18分]よりやや短くなった可能性がある。リチウム電池は寒さに弱いのだ。
それでもMavic Miniは、これまでで最高のフライト体験をもたらしてくれたドローンのひとつだ。動作は機敏で反応も早い。新しいアプリ「DJI Fly」はDJIのほかのドローンほどの機能はないが、十分に使える。
唯一の不満は、ポジションモード、スポーツモード、名前が新しくなった「Cinesmooth(シネスムーズ)」モードという3つのフライトモードの切り替えが、「Mavic」シリーズのほかのモデルのようにコントローラーではできないことだ。代わりにアプリを使う必要がある。
ご想像の通り、Mavic Miniはその軽さゆえに、風が強い日の利用はおすすめできない。ただし、そよ風が吹く日にテストしたときには、驚くほどの安定性を見せた。突風が吹いてもほとんど横揺れしなかったのだ。どちらかといえば縦方向に揺れがちだったので、突風が吹けば浮き上がるだろう。