「Beats Flex ー fragment designスペシャルエディション」 Apple公式サイトで販売開始
11/03/2022
Apple Musicは7500万曲以上の作品が“聴き放題”で楽しめる、アップルの定額制音楽配信サービスです。ミュージックビデオの視聴も可能なほか、インターネットラジオ「Apple Music 1」の番組も充実しています。今回は、そのApple Musicに6月から新しく加わった、ドルビーアトモスによる「空間オーディオ」の楽しみ方を紹介します。
Apple Musicは2015年の夏にスタートしてから間もなく6年を迎えるサブスクリプション(定期購買)スタイルの音楽配信サービスです。その間、規模を徐々に拡大してきており、2021年6月現在で音楽作品の配信数は7500万曲以上。国内外の作品をロック・ポップスからジャズ、クラシックまで幅広くジャンルをまたいでバランスよくそろえています。
Apple MusicはiPhoneやiPad、Macなどのアップル製デバイスに標準インストールされている「ミュージック」アプリから聴くことができます。また、Androidデバイス向けには「Apple Music」アプリが提供されています。さらに、Windows PCなどでも気軽に楽しめるように、Webブラウザーからのリスニングにも対応しました。
今回のテーマであるドルビーアトモスによる空間オーディオ(以下:空間オーディオ)とは、通常のステレオ再生を超えた豊かな音場の広がりを感じられる、新しい立体音楽体験です。
米ドルビーラボラトリーズが開発した独自のサラウンド技術であるドルビーアトモスをベースにした機能で、左右に加えて高さ方向も含んだ立体的な音空間を音楽リスナーに提供できるところに特徴があります。それはまるで、アーティストが音楽を演奏している空間に、自ら飛び込んでしまうほどリアルな体験と例えることができるでしょう。
この空間オーディオを楽しむには、Apple Musicで配信されている楽曲の中で、対応している楽曲を再生する必要があります。そのほか、空間オーディオを楽しむ方法や、対応曲を探す方法は後述します。
Apple Musicの利用料金には、1人のユーザーが1つのアカウントで使える月額980円(税込)の「個人プラン」と、登録したユーザーに加えて最大5人のユーザーアカウントを登録でき、同時にそれぞれのデバイスで再生できる月額1480円(税込)の「ファミリープラン」があります。また、学生のユーザー向けにはお得な月額480円(税込)の「学生プラン」が用意されています。
筆者が本稿を執筆している6月中旬時点、アップルではApple Musicの3か月無料トライアルを実施しています。有料プランの利用を開始する前に自分が聴きたい楽曲は配信曲の中にあるのか、サービスの使い勝手が期待に沿うものなのかなど、トライアル期間中に確かめてから使用を続けるか決めてもよいと思います。
なお、空間オーディオを利用するには追加費用はいりません。従来と同じ月額利用料金のままで、Apple Musicに新しく加わった数千を超える空間オーディオ対応曲を楽しめます。
続いて、空間オーディオに対応する楽曲を楽しむために必要な環境を解説します。
空間オーディオ再生に対応するデバイスはiPhone、iPad、Mac、Apple TV 4Kです。さらに、iPhoneやiPad、Macであれば、本体に内蔵するスピーカーで聴ける機種もあります。その内訳は下記の通りです。
例えばiPhoneのみで空間オーディオを楽しむ場合は、「設定」から「ミュージック」アプリを選択し、「オーディオ」の一覧に並ぶ「ドルビーアトモス」を選択すると「自動」「常にオン」または「オフ」という3つの選択項目が表示されますので、「自動」もしくは「常にオン」にしておきます。
なお、「自動」を選択すると、アップルのAirPodsシリーズのワイヤレスヘッドホン・イヤホン、またはBeats by Dr.Dreから発売されているBeats Flexなどの、Bluetoothオーディオ向けチップ「H1」もしくは「W1」を搭載する機種をiPhoneやiPadにつないで再生した際に、自動で再生モードを空間オーディオに切り換えてくれます。反対にステレオ再生で聴きたい場合はこれを「オフ」にします。
Also, does anyone know how to attend movie premieres? Like when fans are at the red carpet and have chance to meet the actors?
— nanel Sat Aug 05 08:47:03 +0000 2017
自動で再生モードを切り換えてくれるアップルとBeatsのヘッドホン・イヤホンは以下の通りです。
また、「ドルビーアトモス」の選択項目を「常にオン」に設定しておくと、Apple Musicの空間オーディオを、アップル以外のあらゆる無線・有線タイプのヘッドホン・イヤホンを使って聴けるようになります。
テレビなどのHDMI端子を搭載するディスプレイ機器に接続して、Apple MusicやApple TVなどさまざまなコンテンツを楽しめるメディアプレーヤー「Apple TV 4K」の場合は、空間オーディオの楽しみ方が少し変わります。
まず、アップルのSiriを内蔵するスマートスピーカー「HomePod」を接続して聴く方法があります。しかも、HomePodを2台用意して、ステレオペアにしてApple TV 4Kに接続することもできます。もちろん、空間オーディオの立体サウンドは1台だけでも再現可能です。
HomePod以外で空間オーディオを楽しむ場合は、ドルビーアトモスに対応したサウンドバーやAVアンプ、スマートテレビなどをApple TV 4KにHDMIケーブルで接続すれば聴くことができます。サウンドバーやAVアンプとそれに接続するスピーカー、それらのクオリティにこだわれば「最高の空間オーディオ再生環境」を家に作ることも可能です。
なお、Apple TV 4KにAirPodsシリーズなどのワイヤレスヘッドホン・イヤホンやBeatsのヘッドホン・イヤホンをBluetoothで接続する方法もあります。この場合、Apple TVの「設定」から「ミュージック」を選択、ドルビーアトモスの設定を「自動」にします。ただしこの方法だと、他社製のBluetoothヘッドホン・イヤホンは空間オーディオに対応していないようです。
Apple Musicの7500万曲を超える作品の中から、空間オーディオに対応する楽曲を見つけ出すにはどうすれば良いのでしょうか。
最もシンプルなのは、ミュージックアプリの「見つける」タブからいける、8種類の「空間オーディオ:プレイリスト」からたどる方法です。「検索」機能からドルビーアトモス、空間オーディオなどのキーワードを入れて検索もできるようにしてほしいところですが、筆者が本稿を書いている6月中旬時点ではまだ対応していません。
「空間オーディオ:ヒッツ」や「空間オーディオ:ポップ」など、テーマごとに分かれているプレイリストには、さまざまなアーティストの空間オーディオ楽曲がずらりと並んでいます。
また、アーティストによってはアルバムの作品がまるごと空間オーディオで聴ける場合と、プレイリストに並ぶ1曲だけがアルバムから先行して空間オーディオ対応になっている場合があります。自分の好きなアーティストが空間オーディオ対応の作品をリリースしているか、深掘りして探す楽しみがあるでしょう。
ちなみに、筆者が探したところ、日本のアーティストはクラシックのプレイリストにアリス=紗良・オットの空間オーディオ作品を見つけることができました。空間オーディオに対応する日本人アーティストの作品が本格的に増えるのはこれからになりそうです。
iPhoneの場合、外出先でモバイルデータ通信を使って動画や音楽を再生すると、データ通信容量の消費、つまり「ギガの減り具合」が気になるものです。
空間オーディオに対応する楽曲はApple Musicのほかの音楽コンテンツと同様、iPhoneのストレージ容量が許す限りデバイスに楽曲をダウンロードしてオフラインで聴くことができます。ミュージックアプリの「設定」から、「ダウンロード」の項目に並ぶ「ドルビーアトモスでダウンロード」の選択をオンにしましょう。これで外出先では、ギガの減りを気にすることなく、空間オーディオを楽しむことができます。
最後に、iPhoneにAirPods Proを接続して空間オーディオの楽曲を聴いてみた印象をお伝えします。楽曲を再生すると、ボーカリストやピアノのメロディがセンターに力強く定位するうえに、バンドの演奏が広々と空間を描きます。これは、「耳で聴く」というよりも「音楽を体に浴びる」という、スピーカーリスニングに近い、解放的で立体感あふれる音楽体験であり、これこそ空間オーディオの醍醐味です。
今は海外アーティストの作品を聴いていますが、筆者はふだん邦楽系の作品をよく聴いているので、なじみのアーティストの楽曲が空間オーディオによってどんなふうに聴けるようになるのか、今からとても楽しみです。
なお、アップルは早くも、近日中に空間オーディオに関連するアップデートを実施する計画があることを予告しています。
ひとつは、ヘッドホン・イヤホンを装着した状態でユーザーが顔の向きを変えても、楽曲の音がブレることなく適切な方向から聞こえてくる「ダイナミックヘッドトラッキング」という機能への対応です。空間オーディオのダイナミックヘッドトラッキングは、iOS 14.6以降のiPhone、iPadOS 14.6以降のiPadと、AirPods ProまたはAirPods Maxによる組み合わせで楽しめます。Apple TVのビデオコンテンツでは、ひと足先にダイナミックヘッドトラッキングをサポートしているので、どういうものか体験してみることをおすすめします。
もうひとつは、Android版の「Apple Music」アプリでも近日中に空間オーディオを楽しめるようになりそうです。
スマホでリアルな立体音楽体験を楽しめるコンテンツやサービスは、意外にまだ多くありません。いつでも・どこでも音楽ライブに近い臨場感あふれるサウンドを楽しめる、Apple Musicの空間オーディオはとても画期的な試みだと筆者は思います。空間オーディオがどのようなものか、「考える」よりも先にぜひ「体験」してみてください。
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